診療時間

08:30~11:30
外来診療時間
(午前)
-
11:30~13:30
内視鏡検査
(完全予約診療)
-
15:30~18:30
外来診療時間
(午後)
※受付終了18:15
- - -

犬に噛まれた

犬に噛まれたら…?

犬に噛まれた傷は「汚染された挫傷」といいます。この場合、傷口を感染させないことや、過度な出血を避けることが重要です。

①流水で洗い流す

①流水で洗い流す傷の深さに応じて異なりますが、ます患部を少なくとも5分間、流水で洗い流してください。感染予防には、滅菌された水である必要はありません。

②止血する

犬に咬まれたことによる出血は、動脈やその他の重要な血管を損傷していない限り、圧迫による通常の止血方法で止血できる「静脈性出血」である場合が多いです。
患部を心臓より高くし、出血している部分を正確に圧迫してください(目安は約10分)。
途中で擦ったりすると、もう少しで止血できそうだった部分が剥がれてしまい、再び出血することがあります。
逆に、下記の場合には、圧迫しても止まりにくい「動脈性出血」である可能性があります。

  • 噴き出すような出血の場合
  • 真っ赤な血が脈打つ場合

このような場合は、患部を強く圧迫しながら早急に救急車を呼ぶことをお勧めします。なお、非常に稀な例ですのでご安心ください。

③病院に受診する

落ち着いてからで良いので、可能な限り早めに受診するようにしましょう。先述の通り、犬に噛まれた傷は「汚染された傷」です。ほとんどの場合、抗生物質の処方やワクチン接種が必要となるため、病院またはクリニックには必ず受診するようにしてください。
犬に噛まれた傷には、一般的に「外科」や「皮膚科」への受診をお勧めします。これは、外傷の専門知識を持ち、外傷性の傷の処置に熟練している医師が多いためです。
さらに、下記の選択肢も目安の1つになります。

  • 破傷風ワクチンが接種できる
  • 「一般内科」「救急科」「外科」「皮膚科」を経歴として診療経験のある医師がいる

また、傷が骨に達するほど深い場合は、総合病院でないと対応できない場合が多いですので、救急外来を受診することをお勧めします。
当院でも外科専門医で外傷処置の経験豊富な院長が治療を行えますので、お気軽にご相談ください。


犬に噛まれたとき、
狂犬病が心配?

犬に噛まれたとき、狂犬病が心配?犬に噛まれた場合、まず心配されるのは狂犬病です。この場合、狂犬病ワクチンの接種が必要なのでしょうか?
結論から言うと、外国(特に東南アジア)で哺乳類(犬、猫、猿、コウモリ、フェレットなど)に噛まれたり引っかかれたりした場合は、狂犬病ワクチンの接種が必要になります。日本では1956年以降、狂犬病の発症例は報告されていません。

狂犬病の症状とは

狂犬病の症状と特徴について、簡単にまとめると次のようになります。

  • 通常1~3ヵ月、最長8年という非常に長い潜伏期の後で発症する
  • 極度の不安や混乱
  • 水を見ると首(頚部)の筋肉が痙攣する(恐水症)
  • 冷たい風に当たると同様に痙攣する(恐風症)
  • 高熱や全身の痙攣などが起こり、呼吸器系の障害を起こして死亡する
  • 効果のある治療法はなく、発症するとほぼ100%が死亡する
  • 感染が疑われる場合は、ワクチンを連続接種することで発症が防げる

以上のことから、狂犬病ウイルスを保有する動物と接触した可能性のある際は、早急な対応が必要であると言えます。


狂犬病だけでなく
破傷風にも注意が必要

破傷風菌という細菌が神経毒素を排出し、筋肉を硬直させたり痙攣させたりします。この菌は土壌に存在するため、危険度は地域によって異なります。危険な地域では、小さな傷でも感染のリスクがあるため、注意が必要です。


犬に噛まれた後に
やってはいけないことは?

噛まれた際に動揺して、誤った行動を取ることで状況を悪化させることがあります。冷静に対処するためには、NGとなる行動を事前に把握しておくことが重要です。下記の項目を覚えておきましょう。

噛んだ犬を叱るのは逆効果

不安を感じることで噛むタイプの犬の場合、追い詰めたり、怒鳴ったり、体罰を与えたりすると、飼い主に恐怖を感じてさらに攻撃的になるので逆効果です。また、罰としていつものハウスに閉じこめることも避けてください。犬が安全と感じている場所に閉じ込めると、犬はその場所を安全な場所だと認識しなくなってしまいます。

汚染されている傷口を押さえない

傷口をすぐに手で塞がないよう注意してください。止血のために押さえつけたくなりますが、犬の歯に付着した病原菌を一緒に体内に閉じ込めてしまうことになります。まず、止血の前に十分な量の水で患部を洗ってください。


自分の飼い犬以外に
噛まれた方へ

野良犬や、他所で飼われている犬に噛みつかれた場合、怪我の処置だけでは済まされません。トラブルを避けるためにも、適切な対応が求められます。以下の項目を参考に、正しい行動を取るよう心がけましょう。

連絡先の交換、保健所と警察への連絡

まずは噛んだ犬の飼い主の連絡先を聞き、保健所や警察に連絡してもらうことが大切です。 保健所が、その犬の飼い主に事故報告書の提出を求めます。犬は動物病院で狂犬病の検査と、指導も受ける義務があります。後遺症が後になって現れる場合もありますので、治療費や慰謝料などの金銭的トラブルを避けるためにも、必ず警察に咬傷事故として届け出てください。

保健所への届け出

犬に噛まれた場合、犬の飼い主と噛まれた人の双方が保健所に届け出る義務があります。詳しい手続きはその時により異なりますので、保健所や警察署の指示に従ってください。

野良犬に噛まれてしまったら

飼い主の特定ができない犬に噛まれた場合、保健所がその犬を捕獲します。野良犬の場合、その犬が持つ病原体が、傷口から人に感染し、重篤な症状を引き起こす可能性があります。咬まれた場所と時間を速やかに保健所に通報することが大切ですが、まず先に救急外来を受診し、適切な処置を受けることが必要です。