健診と検診の違い
「けんしん」には「健診」と「検診」の2つの種類があります。「検診」は特定の病気の有無を調べるための診察や検査であり、「健診」は体の状態を調べる健康診断のことです。
がん検診は前者の「検診」の一種で、「対策型検診」と「任意型検診」に分けられます。
対策型検診はがん死亡率の低下を目指す公的な施策であり、自治体により住民健診などの形で実施されます。一方、任意検診は対策型検診以外の検診であり、人間ドックなどは通常、費用が自己負担になります。ここでは名古屋市の対策型健診を例にご紹介します。
名古屋市の
胃がん検診(内視鏡検査)について
市内に居住地を有する50歳以上の方(今年度中に50歳になられる方を含む)で、前年度に本市の胃がん検診(内視鏡検査)を受けていない、お勤め先等で胃がん検診を受ける機会がない方、受診回数は2年度に1回までとなります。
名古屋市では、自己負担500円で胃がん検診が提供されています。70歳(誕生日を今年度迎える方)以上の方、対象年齢の方は無料で提供されます。
詳しくは名古屋市ホームページを参照ください。
喫煙や食生活といった生活習慣や、ヘリコバクター・ピロリ菌の持続感染などによって、胃がんの発症リスクが高まるとされています。特に食生活では、塩分の摂り過ぎや野菜・果物の不足が問題視されています。
胃がんはほとんどの場合、早期発見・早期治療によって治る病気です。そのため、症状が現れる前の無症状の段階での発見が重要です。胃がんは初期段階だけでなく、かなり進行した段階でも症状が出ないことがあります。ただ、胃潰瘍が発生すると、胃痛などの症状が出やすくなります。40歳以上(特に50歳以上)の方には、胃がん検診の受診をお勧めします。
胃がん検診の一環として血液検査でできるピロリ菌検査、胃がんリスク検査も行っています。
- 20歳以上39歳以下の方(年度末時点の年齢)を対象とした、ピロリ菌検査
- 40歳以上59歳以下の方(年度末時点の年齢)を対象とした、胃がんリスク検査
名古屋市胃がん検診
レントゲン(X線)検査
当院では行っておりません。
胃がん検診で「要精密検査」となった方
胃がん検診の胃バリウム検査を受けて「要精密検査」と判定された方は、さらに詳しく調べるために胃カメラによる精密検査を受けてください。
胃カメラ検査の結果、がんなどの病気が疑われる場合は、胃がん検診とは別の日に再度胃カメラ検査を受け、疑わしい病変の組織を採取します。これにより、病気を早期に発見し、適切な治療を開始することで、患者様の身体的・経済的負担を軽減することができます。「要再検査」「要精密検査」などの指摘を受けたら、まずは消化器内科を専門とする当院にご相談ください。